4月の学級びらき 子どもたちの期待感を活かしつつ、楽しい活動を通して信頼関係を
こんばんは。
今週から3学期が始まる学校も多いことと思います。
子どもも大人もゆったりとした休みに後ろ髪をひかれる思いなのは同じでしょう。
ゆるやかにスタートを切りつつ、来週からが本番だと思って暖機運転でいきましょう。
子どもたちにとっていよいよ進級が間近に近づいてくる時期です。
私の3学期のテーマは、「自分たちで」と「ワクワク」です。
「もうすぐ〇年生なんだからこれくらいやりなさい」とプレッシャーをかけるのではなく、次の学年に期待感をもたせていきたいと思います。
さて、前回は「自治の力」をつけるための見通しの重要性について書きました。
集団づくりの見通しを私自身が整理するためにも、いろいろと書いていきたいと思います。
今回は4月の出会いについてです。
新年度のスタート、私が大事にするのは「期待感」と「よそよそしさ」
子どもたちの期待エネルギーは計り知れないパワーを秘めている
4月。子どもにとっても教師にとっても、出会いにワクワク、ドキドキする時期ですね。
子どもたちは
「新しく担任になる先生はどんな先生だろう」
「楽しい一年になるといいなあ」
「勉強が難しくなって心配だなあ」
「クラス替えは誰と一緒だろうか、あの子が一緒がいいな、あの子は嫌だな」
と、新年度のスタートを期待半分、不安半分で迎えることと思います。
期待も不安もあるからこそ、4月の最初の時期は子どもたちに指導が入りやすいのです。
新しい出会いは生まれ変わるチャンスでもありますから、前学年のやんちゃな引き継ぎとは打って変わって利口な顔をして座っている子もいます(あくまで私の経験ですが)。
それらの行動をきちんと認め、「うれしいよ、ありがとう」と価値づけていくと、どんどんいい方向へ変わっていきます。
手のかかる子として引き継ぎをされた子も、この時期は猫をかぶっていることが多いので、価値づけをすることはそう難しくはありません。
その価値づけの積み重ねで、一気に学級のリーダーとして生まれ変わっていったジャイアン的な子もいました。
それくらい、子どもたちはいい方向に変わりたがっているし、変わる自分を見ていてもらいたいものです。その期待のエネルギーを活かさない手はありません。
最初からやりすぎると離れていく 互いに「知らない」のだから
そんなスタートの時期に、教師がすぐに感情的に怒鳴りつけ、教師のものさしを押し付ける指導を展開したら、子どもたちはどう思うでしょう。
進級に際してプレッシャーをかける指導ばかりしたら、子どもたちはどう思うでしょう。
まだ関係性ができていないうちから「力の指導」に頼ろうとすると、必ず反動が来ます。
だからこそ、スタートに当たっては子どもたちの世界にずかずかと土足で入り込むようなことはせず、「よそよそしさ」を上手に使って子どもたちの姿を認めていきます。
「先生のことをよく知らないにもかかわらずあいさつしてくれてうれしいよ」
「前の学年ではどうやってたか、誰か教えてくれる?」
「相手のことを考えるからこそ、そういう言い方をしているんだよね。やさしい人間だなあ」
4月に子どもたちをたくさん認めて関係性をつくろうというのは大前提です。
この「認める」という行為を通してどんな種をまき、ゆくゆくどんな芽が出るようにしていくかが大切になっていきます。
教師と子どもの信頼関係をつくるには「楽しい活動」を
・・・そりゃそうですよね。
何を当たり前のことを、と思う方がいらっしゃるのも無理はありません。
休み時間には必ず外に出て遊ぶ。朝の会や帰りの会で子どもたちを笑顔にする。
そういったことの積み重ねが「信頼関係」に結びつきます。
「約束を守る」「時間を守る」「うそをつかない」といった文字通りの信頼関係ももちろん大切です。ただ、これらは効果が見えにくいのです。しかも、子どもたちに徐々に浸透していくものなので、時間がかかります。
子どもたちは思っている以上に私たちの本質を見抜くのが上手ですし、早いです。
だからこそ、4月のこの時期は授業準備は極力済ませておいて、休み時間は子どもたちと外に出て、楽しむ体験を共有します。
「この先生はおれたちと遊んでくれる先生だ!」
「この先生はクイズとかゲームとかしてくれる先生だ!」
「この先生と何かやるとなんだか友達と仲良くなれる!」
ということを、理屈ではなく感情に訴えます。
一回でも多く子どもたちと笑うのを目標に、4月は過ごします。
ただ、それらの楽しい活動にはもっと重要な目的があります。それはまた次回。