シリーズ「小規模校の強みから学びを考える」①学校規模の適正化の「適正」って何?
みなさんこんばんは。たくやです。
卒業式、修了式が終わってひと段落の先生方、一年間お疲れさまでした。
子どもたちと一緒の時間を楽しめた人も、ちょっと疲れた人も、4月の新しい子どもたちとの出会い(出会い直し)に向けて、まずはゆったりと肩の荷をおろして一息つきましょう。
私は来週もまだ学校がありますけどね!!
小規模校は適正化するべき対象か?
さて、ブログタイトルにもある通り、私は今「小規模校」に勤めています。
一口に「小規模校」と言っても様々で、学年が欠けたり複式学級があったりするほどの少ない人数の学校から、クラス替えはできないけれど、全学年が単学級を組める程度の学校まで、その状況は学校によって様々です。
文部科学省もそういった教育上の課題が極めて大きい学校は、学校統合などにより適正規模に近づける検討が必要であると指針で出しています。
⇩公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引(文部科学省)
こういうのを読むと(読まなくてもいいんですが)、ちょっぴり憂鬱ですよね。
「今年で異動なんだけど配属先が小規模校なんだよな・・・こんなに課題があるのか・・・」
「まだ20代なのにたった一人で学年回さなきゃいけないのは大変だ・・・」
「職員の人数も少ないし、仕事もたくさん回ってきて大変になるんじゃないのかな・・・」
そんな不安を抱えている人もいるのではないかと思います。
ただ、一つ言えるのは、
絶対大丈夫!!!とっても楽しいから!!!
そして文科省にはこう言ってやります。
「上から目線で『かわいそう』とか『適切でない』って言うな!」
小規模校は「課題」ではなく「強み」をもっている!!
どんなへき地でも人の生活があり、人とのつながりは切っても切れません。
モノの豊かさに反比例するように人とのつながりが希薄になってきている今、改めて大切にするべきは小規模校のような
「自分が(子どもが)適切に関わることのできる規模のコミュニティ」
を大切にすることです。
子どもが何百人もいたとして、その子たち全員と濃密な時間を過ごすことは不可能です。35人、40人と学級の中に子どもたちがいたとして、その子どもたちと一日に何回コミュニケーションを取れるでしょうか。
「1日に最低限1回は話そう」
私も初任の時に大きな学校にいたときにはそういう先輩教員の教えをしっかり意識し、できるだけ細やかに子どもたちとか関わろう関わろうとしてきました。しかし、「1日1回」しか話せないことが「適正」なのでしょうか?当然回数や人数にもばらつきはあるでしょうが、その何となく言われている「適正」に意味があると言えるでしょうか?
それをやすやすと超えていくことができるのが小規模校の強みの一つです。
たとえ学級の人数が2人、3人でも教育の課題は多様な手立てを講じることによって解決は可能です。むしろ、その課題を強みに変えていくことが、この先の社会を生き抜く子どもたちの自立へとつながっていくのだと思います。
見える学力だけで子どもの学びを捉えるのではなく、見えない学力を見ていくことが小規模校での学びを豊かにしていくコツです。
もう一度言いますが、小規模校はとっても楽しいですよ。
次の回からは、小規模校が抱える「強み」や「チャンス」、そうはいっても実情として抱えている「課題」などを通して、規模にとらわれない学びについて考えていきたいと思います。